やさぐれ歯科医院

白い天使クリスチャン・ゼル博士を目指す歯科医の戯言

「女性歯科医師に活躍の場を!!」は本当か? 2

いきなり受付に現れ「帰省してるから今週中に歯を治してほしいんだけど…えっ予約?してないよ…間に合わない?なんでや!」という盆暮れ特有のモンペに悩まされている皆さん、お盆はいかがお過ごしでしょうか。

もう忘れているでしょうが(俺も忘れた)前回の続きです。

 

女性が活躍できる歯科界へ?

さて本文では日本の歯科界の男女比などの現状が書かれており、以下が概略です。

 

・日本の歯科医師の男女比は、総数102551人中女性が22295人(約22%)。

・若い世代ほど女性歯科医師の比率が高くなる。

 29歳以下の歯科医師は7460人、女性が3140人(約42%)。

・開業歯科医師集団の日本歯科医師会会員は、総会員数64707人、女性が5782人。

(上記全て平成24年のデータ)

・現在、全国歯学部29校中20校以上で学生は女性が半数を超えている。

(時期不明だが各大学HP上のデータからここ数年のもの?)

 

これをまとめると

1.日本の歯科医師、約10万3千人の中で女性は20%程度だが、若い世代では男女比が逆転する。

2.日本歯科医師会会員の約6万5千人に女性は1割もいない。

この現状を鑑みるに、今後の我が国の歯科界において女性歯科医師の存在を無視して事を進めることは不可能であり、逆に、いかに女性が活躍できる歯科界へ転換できるかが、閉塞感に満ちた現状の活性化に大きく寄与するものと思われる。

現状を鑑みなくても、少数だからといって存在を無視して事を進めていいわけではありません。

また、何をもって「女性が活躍できる歯科界へ転換」が「閉塞性に満ちた現状の活性化」に大きく寄与すると考えているのでしょうか。具体例が全く書かれておらず、謎すぎます。

 

 女性歯科医師のサポート体制を構築?

女性歯科医師の活躍の足かせになっている事柄の1つに、各歯科医師会における女性執行役員の数の少なさが挙げられる。現状の都道府県歯科医師会における女性役員数を示す。これまた驚愕する現状が理解できよう。

f:id:yasaguredent:20160202175415j:plain

男女で能力差がなく歯科医師会女性会員が全体の1割弱なら、役員就任しているのも1割弱が妥当な数字でこれが差別のない世界です。しかも妊娠出産など家庭の事情を全く無視しての数字ですから、実際はもっと低くなって当たり前だと思います。各都道府県の歯科医師会で役員が10半ば~30名ってとこでしょうから、女性役員が1~2人いればいい方ではないでしょうか。

・・・このグラフ通りじゃないですかね。何に驚愕しているのでしょう。

大体この先生、元杉並区の歯科医師会長なんですが、杉並区は女性役員を増やす働きかけとかはしてたんでしょうか。

 

歯科医師会を執行する指導的地位に女性が就くことで、女性歯科医師として出産、育児、子供の教育、家事、介護等々の難題への対処法が理解でき、会の側面からの支援が可能となり、女性歯科医師がより働きやすい環境の整備が可能となるであろう。

 これは女性が役員になるのと関係ありません。女性歯科医師から「女性が働きやすい環境とは」の助言を受ければいいだけの話です。現行の役員に話を聞く姿勢がないだけではないでしょうか。

その後本文では、歯科医師会会員数(加入割合)予想は2013年の62.5%から2060年には40%程度の水準まで低下し、会の存続が危ぶまれる将来予測とされている。

 

そして開いた口が塞がらないのが下記の文章。

国が指導する官製医療の下で生きているわれわれ歯科医師にとって、組織を代表し国そして官僚に対峙する歯科医師会の存在は、公的医療を守るためにも必須であり、その存亡は国民の歯科医療の存亡に直結する。日歯、日歯連盟がこれだけ必死になってロビー活動、国・官僚・国民に対する啓発活動を繰り広げても、わずかな予算しか回ってこない現状を鑑みると、わが国の歯科医療を守る”われわれの意をくんだ活動をする組織の存在”なくして、歯科医療に未来はないと思う。

 ( ゚д゚)ポカーン

自分らが無能だって書いてるようなもんなんですけど、どうなんですかねこれ。

 

まあ、必死になって繰り広げているという啓発活動が

GReeeeNに広報キャンペーンソング作ってもらうですから・・・

f:id:yasaguredent:20160815184025j:plain

 

今回歯科医師会のHP覗いて初めて知りましたよ。よく歯科医師会本部が焼き討ちに合わないもんだと、会費払っている会員の皆様の忍耐強さに感心することしきりです。

育児などの難題を抱えている女性歯科医師のサポート体制をしっかり構築し、歯科医師会の中で女性歯科医師がもっと活躍できる素地を作ることが、歯科界浮上の喫緊の課題である。

現実的な案は一切ないまま力技で無理やりまとめるという、この先生は一体何が書きたかったんでしょうね。これが歯科医師連盟のトップならそりゃ予算も回ってこないわ・・・と思ったり思わなかったり・・・。

 

という訳で次回は歯科医師会の資料から女性歯科医師問題を。

 

また終わらなかったよ・・・長いんだよこの案件・・・。 

社長になっていい人、ダメな人 社長になる人が知っている「経営者の常識」

社長になっていい人、ダメな人 社長になる人が知っている「経営者の常識」