こだわっていることはありますか?
「歯科」「こだわり」でgoogle先生に検索してもらうと「当クリニックのこだわり」「当院のこだわり」「◯◯歯科のこだわり」「院長のこだわり」「こだわりの診療内容」などなど・・・皆さん色々とこだわってますねー。
実は「こだわり」という言葉はよい意味合いではありません。
(1)心が何かにとらわれて、自由に考えることができなくなる。気にしなくてもいいようなことを気にする。拘泥する。
(2)普通は軽視されがちなことにまで好みを主張する。
(3)物事がとどこおる。障る。
(4)他人からの働きかけをこばむ。なんくせをつける。
三省堂 大辞林より
しかし最近では「妥協しないでとことん追求する」といったヘンテコな意味で使う人が多くなってきました。ホームページに堂々と「俺のこだわり見て見て!」と載せている先生達も、恐らくそんな意味と思って使っているのでしょうが、日本語としては間違った使い方です。
誤用とはいえ
言葉は誤用でも使い方が市井に広まってしまえば何となく市民権を得てしまいます。単に意味は通じますからね。なので、いくつかの辞書に「最近じゃ世の中でこんな意味でも使われています」と書かれることになるわけです。
ま、意味が通じるというだけで、僕の中では「全然OK!」と同レベルですが。
と、ここまで書いてgoogle先生の検索結果をよく見たら知り合いの先生達がチラホラ出てくるじゃあーりませんか・・・。この内容をアップするか迷ったのですが、せっかく書いたので上げときます。
歯科業界は体育会系な先生達が多いので「うるせーな、そんな細かいことにこだわってんじゃねーよ!」と怒る先生もいるでしょうが、それそれ、その使い方こそが正しい「こだわり」なのです。
こだわらない
僕が研修医や学生に言っているのは「こだわらない」です。
こだわりが強い先生は下から「それ違うんじゃないですか?」という突き上げがあると怒ってしまう人が多い印象を受けます。基本はプライドが高くキャパシティは小さいんで「へー、そうなの」ではなく「何を言うかキサマ!」となってしまうケースが多々。でも、怒ると後には退けなくなっちゃうんですよね。依怙地になればなるほど身動きがとれなくなって自分の首が締まります。
医療は日進月歩で常識と言われた事があっという間にひっくり返ります。僕の尊敬する先生から教えられたのは「自分がしていることは間違いなんじゃないかと常に思え」です。仰る通りだと思います。
あなたはまだ「こだわり」ますか?