色々なしがらみで、いまだに口腔外科学会なんぞ続けています。
メリットも無いので「よし今年こそは脱会しよう!」と思ってはや幾年、何となく情が湧いてしまって別れるに別れられない・・・でも毎年毎年、年会費という名の上納金はせびられ、わざわざ学会に顔を出して参加費を取られるという体たらく。
もう立派な「ヒモに貢いでいるダメ女」です。
という訳でせっせと上納金は払っていますから毎月学会誌が届きます。ザーッと目を通して気になったところだけスキャン、あとは断捨離精神でゴミ箱へ直行です。
巻頭言
大抵の学会誌の先頭には、偉いさん達が持ち回りで徒然に好きなことを書く巻頭言というページがあります。先日の号には滋賀医大口腔外科の山本教授が「今、必要な研修教育とは・・・」というお題で寄稿をしていました。そろそろ定員割れのゆとり世代が群れ成して世に出てくるので、全国の指導医達も戦々恐々としているのでしょうか。
途中にこんな一文が・・・
私の発表の2題前の演者が『である調』=常態で発表をしている真最中に、聴衆の一人であったO大学のM教授が挙手して発表を止められ、「聴衆のほとんどが君より先輩であるにもかかわらず、『である調』で発表するのは失礼である。『です、ます調』=敬体で発表しなさい。」と大きな声で注意をされた。会場は水を打ったように静まり返り、この言葉は皆の胸に染み入った。
同業の年長者に敬意を払えと言いたいのでしょうが、自分からそんなこと言いだす奴はろくなもんじゃありません。経験からすると間違いなく「老害」です。相対して話しているならともかく、これ学会発表ですよ、学会発表。発表者が研修医だろうが学生だろうが、学問に年功序列もってきてどうしようっていうんでしょうか。
ベテランならよいのか?
世の中には若くして教授になる人もいます。そんな教授が「である調」で講演してもこのM教授「失礼だろ!」と怒るのでしょうか。「聴衆のほとんどが君より先輩」なんてのは単なる言いがかりで、「何の肩書もない若造が生意気な・・・俺様が直々に御指導してくれるわっ!」って目線で喧嘩売っているだけなんです。
あまりに痛過ぎる爺様ですが、幸い結構昔の話のようなのでもう退官しているはずです。しかしながら、そんなトンデモ爺さんの単なる自己満足教育的指導の戯言を「皆の胸に染み入る」とありがたがっているような先生の下で働いている研修医の皆様には同情を禁じえません。くわばらくわばら。
年寄りばかり批判しても何なので、次回は「恐るべき子供たち」のお話。