ナースキャップといえばその名の通り看護師が使用していた帽子です。
名作「おたんこナース」ですが連載は1995～1998年でしたから、まだナースキャップが普通に使われていた時代。
「使用していた」「使われていた」と過去形なのは 、もはやナースキャップは過去の遺物として、ほとんどの医療現場では使用されていません。
何故ナースキャップは廃止されたか
看護学校や看護学部では学生が職業意識や責任を自覚するように、病院実習の直前に「戴帽式」という儀式で初めてナースキャップをかぶり、ナイチンゲール像から灯りを受け取ってナイチンゲール誓詞を朗読するのが習わしでした。
余談ですが、御存知のようにナイチンゲールはクリミア戦争で活躍した看護師で、野戦病院の不衛生極まりない状態を改善させ死亡率を劇的に下げました。マスコミにも取り上げられ英雄として脚光を浴びたことを快く思わない軍高官や軍医の「お前の手柄じゃない」に対し、データを基に医療統計学で立ち向かってフルボッコにしたことでイギリス医療統計の祖ともされています。
閑話休題
しかしこのナースキャップ、大抵は毎日取り替えるものではなく菌の温床になり不潔で、髪にクリップ留めをしているだけなので髪を落とさないわけでもなく、出っ張っていて引っ掛かりやすく安全面でも邪魔という、何一つとしてメリットが無いため、近年では大抵の病院や看護学校では廃止となりました。
儀式として「戴帽式」だけは残し臨床では使っていない学校もありますが、「戴帽式」から「戴灯式」と名前を変え、ナースキャップ自体存在しない学校もあります。
時代に逆行する歯科業界
しかし、この御時世にナースキャップを使い続けているのが歯科業界。衛生士校や歯科医院のHPでも堂々と載せているところを見ると、全くもって「イケてない」とは思っていないのでしょう。
というわけで毎度おなじみ「今時ナースキャップを使っている歯科医院」の御紹介！
トップバッターはこちら。
・・・普通すぎてコメントに困りますので次に行きます。
追記：（HPからはナースキャップ画像を消したようなのでリンクを切ります。2016年3月）
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ここも・・・まあ・・・普通ですね。
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えーと、ここは・・・インプラントの死亡事故の件で散々叩いたんですが、まだ叩かれる余地があるということで。
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ここはこんなページもありました。
「一般治療に際しては、写真左のように髪の毛を落とさないように帽子をかぶり、また、インプラントなどの手術に際しては、写真右のように使い捨ての手術着を着用して行います。」
右の写真のアシストお姉さんがナースキャップらしきものをかぶっています。術者があの帽子でアシストがナースキャップってどういうことなんでしょ。なら術者も帽子なんかいらないですよ。
追記：後日写真にトリミングをかけたようで…ギリギリ写っていますｗ
追記の追記：完全に代替わりしたようで、HPも一新されたためリンクを消します。
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スタッフブログを読むと、かぶっているスタッフとかぶっていないスタッフがいるみたいです。違いは何なんでしょうね。
追記：（HPのナースキャップ画像は「ほぼ」消したようなのでリンクを切ります。1枚だけスタッフブログの写真に残っていますが恐らく見落としているのでしょう。2016年3月）
ナースキャップにかける情熱
「ナースキャップ」「フェチ」で検索するとナースキャップに対して並々ならぬ情熱を持っている方も多数いらっしゃいます。
この御時世でもまだナースキャップを使用しているような医院や歯科医院の情報を収集しているナースキャップ同好会という集まりも存在する以上、もう単なる帽子という枠を飛び越えた「帽子ではない何か」と言っていいでしょう。
今や絶滅危惧種にも指定されているナースキャップ付きナース。昔は看護婦さんの象徴だったのに、次から次へと廃止され、都市部の大きな病院ではほとんど見かけなくなりました。大変悲しい限りです。当会はその発掘と保護を目的としています。ナースキャップについて語り合いましょう！
mixi ナースキャップ同好会より
今や、ナースキャップを使用している医療施設は新潟のトキと同じ扱いなのです。
一般人ですら知っている
2015年の1月からTBSで病院を舞台にしたテレビドラマ「まっしろ」がはじまります。
やはり看護師はナースキャップを使用しているのでネット上でも色々言われていました。しかし、これについてはプロデューサーがコンセプトを書いています。
このドラマをご覧になる前に｜TBSテレビ：火曜ドラマ『まっしろ』
「看護師の制服もかわいい方がいいかな。小さい子供たちがあこがれてくれるような」
「ナースキャップは、今、不衛生だからほとんどしないけど、憧れたんだよね」
「機能性と衛生面、安全性を損なわなかったら、ビジュアルの楽しさもホスピタリティーかも」
などと、架空の、しかし、「理想の病院」 の 「ひとつの形」 を提案したつもりです。
医療人でなくても
「ナースキャップは不衛生で廃止された」
と知っています。
結論
ナースキャップ廃止が主流の中、今もって敢えてスタッフにかぶらせているのは科学ではなく単に院長の個人的な趣味・・・いや、あれが院長としての働くパッション、人生の糧となっているに違いありません。
どんなに面倒な症例やクレーマーの相手で精魂尽き果てても、女性スタッフの頭に乗っかっている輝くナースキャップを見ることで明日への活力が湧いてくるんだ！ということであれば、清潔不潔や安全管理はイケてないとしても百歩譲って温かい目で見守っていきます。
だって他に使い続ける説明がつかないんですもの・・・。
浴衣診療はどうなのよ
スタッフに浴衣を着せるイベントなんかを行っている歯科医院があります。案の定、そういう変わったことに対して業界は「キャバクラかよ！」と評価はイマイチです。
正直、清潔不潔や安全の観点から言えば、たすき掛けしようがあんな動きづらく引っ掛かりが多く汚れもあちこち付きやすい服装はアウトです。しかし、心情的には「浴衣」は非常にツボなのでグッジョブ！と思っていますから複雑な心境です。
止めて欲しいような止めて欲しくないような・・・。
ナースキャップだって一緒だろうが！と怒る方もいるでしょうが、
どのような服装がいいのか
患者の安全や清潔不潔のためには、「動きやすい」「引っかかりが少ない」「溝が少ない」「生地の重なりが少ない」などを網羅する服装は・・・
水着ですね！
え、スタッフの安全？そんなもんより患者の安全が第一！
全国のナースキャップ同好会の皆様にこのページが役立ってくれることを祈りつつ今回はこれまで。
追記：リンク先を確認したところ、スタッフのナースキャップ画像を削除した医院もあるようです。ナースキャップを止めたのか画像を削除しただけなのかはわかりませんが、後日リンクを切ります。（2016年3月）
