今日明日と歯科医師国家試験ですが、最近は就職前に国試の結果が判明するからいいですね。実際に見たことはありませんが、昔は就職後に国試の結果がダメだったために、お通夜のような雰囲気の中で職場の私物を片付けるという悲しい光景が各地でありました。
今回は無事国家試験に受かって就職後に必ず使うであろう「脇付」の話です。
脇付って何?
教えてWikipedia先生!
脇付(わきづけ)とは、手紙の宛先に添えて敬意や注意を表すために使用する言葉である。縦書きの場合、宛名の左下に書くのが正式である。現在では、敬意を示す脇付は「御中」など一部を除いて用いられることは少ない。また、簡潔さを重視する電子メールでは使用しないことが望ましいとされる。なお、脇付を添える場合にも、宛名に様などの敬称はつける。
普段の生活で目にすることは少ないが、医師同士の親書や医療機関の発行する紹介状(診療情報提供書)では、宛名を○○先生御侍史、あるいは御机下とすることが慣例となっている。
脇付の多くは、名宛人に直接送付することを避け、秘書・侍従(侍史)や机(机下)などに手紙を送ることで謙譲の意を表現するものである。
Wikipedia より
要するに、他の医療機関宛に手紙や書類を出す時に付けるものです。企業に出す際には「御中」なんかを使用しますね。
医療業界でよく使用されているのは「御侍史」「御机下」「侍史」「机下」の4種類です。よく見るのは前者2例、ごく稀に後者2例。他は見たことがありません。
意味は?
じし【侍史】
① 貴人のそばに控えている書記。
②手紙の脇付として記し,相手への敬意を表す語。直接はおそれ多いから侍史を経て差し上げる意。
きか【机下・几下】
〔相手の机の下に差し出す意〕
書簡文で,相手を敬ってあて名に添える脇付(わきづけ)の一。
大辞林 より
「御」は付ける?付けない?
「侍史」「机下」自体がすでに敬語なので、「御」を付けると二重敬語になるという説があります。付けるべき、という意見は「慣例だから」という理由しか見当たりませんでした。ですから選択肢から早くも「御侍史」「御机下」が外れます。
「侍史」?「机下」?どっちがいい?
手書きだと侍史は「侍」だっけ「待」だっけ?と迷う時がありますが、字が簡単なためか、「御机下」は結構目にします。
しかし、目上には「侍史」、同輩・格下には「机下」という考えがあるようで、古い先生では「机下」を使われると怒る方もいらっしゃるようです。その考えが日本語として正しいのかはわかりませんでした。
新小児科医のつぶやき・・・コメント欄参照
結論
無難な線で「侍史」の一択です。
そんな細かいことどうでもいいだろという人もいるでしょうが、世の中には意外とこういう細かいところに目がいってしまう人(僕のように)がいるのですよ。
ちなみに
今回は二重敬語の話でしたが、「御遺体」というのも二重敬語という説があります。「死体」の敬語が「遺体」なので、「御」はつかないという話ですが、これも本当ではないでしょうか。
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