また鬱々とした内容が始まりました。
実はもうとっくに結論は出ている(し長くなる)ので正直言って書きたくありません!
しかし、周囲を見聞きしていると女性歯科医師自身がこの「女性歯科医師問題」について大きく誤解しているケースも多いので・・・。
女性歯科医師の会ワーキンググループ
さて、歯科医師会HPには「女性歯科医師」という女性歯科医師問題専用ページもあり、今までの会議やアンケートなどの報告書が載っています。
経時的に見ていきましょう。まずはこちら。
抜粋します。
本ワーキンググループ設置に至る経緯と使命
機構改革検討委員会(中略)以下の点につき女性の視点を生かした検討の場が必要であることが指摘された。
1)女性歯科医師の就業上の問題の検討
2)歯科医師会の事業への参加(役員就任を含む)
3)女性歯科医師の歯科医師会への入会促進
歯科医師会の優先順位として
1)は正直な話どうでもいい。
2)は末端の働き手(奴隷)は欲しい、できる女医さんなら上に引っ張りたい…けど本当に重要なのはそこではない。
3)こそが、何故こんなにも皆がワーワー騒いでいるかという本命中の本命。
歯科医師会としては、会員数が死活問題なのです。
まず単純に組織収入減に直結。no money no life!
また、組織の人数が少ないと政治力も比例して落ちます。政治力無くして発言力無しです。政治家も大抵は馬鹿ではありませんから、SEALDs程度の浮かれポンチで世の中は動いてくれません。
各SNSでSEALDsと山本太郎に賛同する歯科医師もチラホラ見かけましたが、もう同じ穴の浮かれポンチでこいつらの脳ミソはどうなって・・・おっと、諸先輩方に対して失礼失礼。
そして2)にも関連しますが、分母が少ないと幹部候補生として上に引き上げたい優秀な人材も減ります。歯学部定員割れ問題を見ていれば、ピラミッドの底辺が広がらないことによる人材不足の弊害は恐ろしいほどに一目瞭然。
日本の女性歯科医師が直面している問題
本WGではKJ 法、二次元展開法による作業を中心に、過去の関連資料(資料5,6,7)も参考にしながら、検討を行った。
・・・えーと、項目によっては女性云々というより、個人的な資質の問題じゃないんですかね・・・。
◯「責任感の持ち方」
◯「無責任な対応をする女性歯科医師が結構いる」
◯「歯科衛生士・技工士とうまくやっていけない」
女性歯科医師は男性歯科医師よりも責任感がなくてコミュニケーション能力が低いって内容なんですが、大丈夫これ?
そして二次元展開法によると、最優先課題は「ワークライフバランスが取りにくい」らしい。この気持ちは非常によくわかります。
各項目について見てみましょう。
ワークライフバランスがとりにくい
女性歯科医師が結婚、出産、育児、介護、休業後の職場復帰といったライフイベントの際に直面する問題に、十分対処できない現実がある。
僕もここが一番重要な点だと考えています。これについては諸事情ありまして本シリーズの最後の方でまとめます。
女性歯科医師の可能性が見えない
これも本シリーズの最後で・・・。
意思(政策)決定に関わる役職につく女性歯科医師が少ない
女性の立場や視点が考慮されないで、重要なことが決まっていくことが懸念される。
以前も書きましたが、役員数は歯科医師会男女比+会の活動に参加しているかどうかの問題であって、少ない少ないって騒いでも実質はあんなもんでしょう。
大体、女性の立場や視点って具体的に何を言いたいのでしょうか。これに関してしっかりと頷ける意見てのは見たことがない。
性差への理解不足
歯科医師として求められる高い職業倫理、技能、知識において性差はない。そうした自覚が強いあまり、時として生物学的性差をも認めない態度は、かえって女性歯科医師の活躍を妨げることにもなりかねない。
【改善策】 女であることを自然体で受け止め、女性歯科医師の組織というものへの先入観を変えることも必要である。
これも難しい問題で、確かに若い女性には月経問題などもあり1週間くらいは死んだようになっている人もいます。それに対して配慮するのは当然のことです。しかし昇進問題や有給枠となると、雇用者側は同じ能力の男性がいるなら1ヶ月間丸々働いていてくれる方を優先したくなるのは当然ではないでしょうか・・・と言ってみたり。
【改善策】はこれまた暗に女性歯科医師批判になっているような気がしないでも・・・。
社会の女性歯科医師に対する認識の低さ
銀行からの融資、企業との交渉における困難さや、女性が医院を経営する上での安全上の問題点が指摘された。
これ、上記の「責任感がない」「コミュニケーション能力が低い」などの方から影響がきてる可能性ってないんですかね。
あと、「安全上の問題点」ってここにカテゴライズされるもんなの?
専門性追求への障害
数十年前には、歯科大学卒業後、女性という理由で教室に入ることを断られることもあったが、最近ではセクハラ、アカハラに対する大学の意識がやや変わってきたのか、かつてほど大きな問題ではないとも考えられるが、引き続き改善への取り組みは必要である。いくつかの大学では文部科学省科学振興調整費による「女性研究者支援モデル」育成事業の実施などを通して、男女共同参画への意識改革や取り組みが始まっている。
昔は卒業生かコネがないと入局できなかったって講座の話も聞きますし、今でも入局枠が厳しく、入局希望者同士で足の引っ張り合いをするような人気講座もあります。
専門性追求も女性の生理的・肉体的問題と絡むので、これも難しいんですよね。
ただ、実際に入局を断られた女性歯科研修医のケースも見たことがあります。ちょっと話しただけで(コメディカルに対する)高慢な態度がバリバリと感じられ「凄いなコイツ」と思いましたが、案の定「あれは職場内の火種になる」という妥当な判断でお断りされていました。
逆に教授が女性好きで、どう見ても女性優先って講座もありますがそっちはあまり問題にならないですね。
チーム医療における問題
女性歯科医師と歯科衛生士間でのトラブルを耳にすることもあるが、チーム医療においては他の組合せ(男性医師と女性看護師など)でも起こりうることであり、個人の要素が大きい。二次元展開法では「チーム医療での難しさ」は重要度、緊急度ともに低いと判断された。
ああ、言われちゃってるw
大体、「周りと上手くやっていけない」なんてのは問題点として提出した人の見識を疑うレベルですが、よくすり抜けてここまで上がってきたと思いますよ。
女性歯科医師の日歯会員組織率向上への提案
・入会するメリットが実感できることが最重要
1)開業や医院経営に伴うトラブルに備える安全・安心の提供、相談窓口の開設など
2)女性会員が利用しやすい生涯研修制度の充実
3)休職後の復帰支援
4)情報提供システムとネットワークの構築
・入会金・会費の見直し
入会のメリットがなければ趣味の世界なんですが、趣味にしちゃ高額で拘束時間が大きいってのがやはり入らない理由でしょうかね。ただ歯科医師会の人数が減ると業界としての発言力も落ちるのは否めないので、これはやはり大きな問題点なのです。
まとめ
報告書1本だけの抜粋でこの面倒臭さ。いつになったらゴールが見えてくるのでしょうか。いっそのことショートカットで次で一気に終わらせるという荒業を・・・
しかし、最後にあったこの一文
どうしたら歯科医師会会員であることに名誉とメリットを感じてもらえるか。現会員からもその辺の意見を吸い上げる必要があるのではないか。
どうやら会の幹部達は歯科医師会会員は名誉な事だと思っているらしい。あんなもん業界の寄り合いでしょ。とりあえずは上の意識改革から始めるのが必要なんじゃないですかね。