やさぐれ歯科医院

白い天使クリスチャン・ゼル博士を目指す歯科医の戯言

聴覚障害者診療の便利アイテム

歯科医師国家試験も結果が出ましたが、合格率63.7%と全国から悲鳴が聞こえます・・・早く合格してよかった・・・。

合格した方はおめでとうございます。

不合格だった方は休んでいる暇はありません。来年に向けて走り出しましょう。

 

さて今回は聴覚障害患者の診療に便利なアイテムの話。

 

障害者の歯科診療

日常的に障害者診療に携わる歯科医師も多いかと思います。

しかしながらぶっちゃけると、知的障害だろうが聴覚・視覚障害だろうが、間違いなく健常者より時間はかかるのでCPが悪く、もう受け入れているだけでボランティアみたいなもんなのです。

同期の新規開業の歯科医院を見学に行ったら入口に結構な段差があり、「バリアフリーにしなかったんだ?」と聞いたら「そんなことしたら車椅子の患者が来ちゃうだろ!」と言われたくらい、障害者診療に関わりたくない歯科医師も沢山います。

 

なんて酷い医療人だ!と思う人もいるでしょう。

しかしですね、医療は慈善事業ではありません。

自らが潤ってこそ良い治療が提供できるのです。

人に慈善事業を強いるような思想は唾棄すべき酷い思想なのです。

 

段差を作るのも一つの手ですが、階段しか無い2階に店を構えても「店員が下まで降りてきて、抱えて上り下りするのが当たり前だろ」みたいな人智を超えたクレーマーもいることですし、世の中何が起こるかわかりません。

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閑話休題

 

歯科医療を行う上で厄介な障害は?

障害も色々ありますが、どれが一番厄介かなんて載っている成書はありません。

順列をつけるなら個人的な感想では

1.知的障害・精神障害(認知症含む)

2.聴覚障害

です。

 

知的・精神障害はあえて書くまでもありませんから割愛。

聴覚障害者は実際に診療するとすぐにわかります。

 

耳が遠い・聞こえない患者の問題点とは?

とにかく「意思疎通に手間と時間がかかる」という一点に集約されます。

ものすごーーーーーーく面倒なのです。

視覚障害者とは声により瞬時の意思疎通が可能ですが、聴覚障害者は筆談や手話などワンクッションをおいた意思疎通になります。パソコンで音声入力装置もありますが、使用頻度や値段を考えると購入するのはもったいないし、チェアサイドでは使いづらい。同じく手話を覚えるのもかったるい…。

 かといって筆談では時間がかかりすぎます。

そんなこんなで聴覚障害者との意思疎通には相当悩まされていました。

 

聴覚障害者診療の便利アイテム

わずかでも聴力が残っているなら使うのはこれです。

ハビナース もしもしフォン

ハビナース もしもしフォン

 

「オモチャじゃんw」と笑うことなかれ。

これ超絶便利器具で、耳の遠いお年寄りなんかには絶大な威力を発揮するのです。

 

ですが完全に聴力を失っている人にはどうしようもなく、身振り手振りと筆談に頼るしかありませんでした。

 

しかし、辿り着いたのがこのアプリ!

 

アンドロイドの音声入力アプリって色々あるのですが、中々「シンプル」で「見やすい」を両立した製品がありませんでした。色々試してみましたが、その中ではこれがベスト。

 

アプリを立ち上げると左側の画面になります。

中央下のマイクのマークを押すと右の画面に。あとは「話す」だけです。

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すると・・・

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超簡単!

見やすい!

複雑な文章もいけます!

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すごい!

トンデモ診療にも対応可能!

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これすごい楽なんで、診る頻度が高いなら騙されたと思って試してみてください。

変換が上手くいくコツは「ゆっくり・ハッキリと話す」です。

 

アップルストアのアプリにはない可能性がありますので、アップル使いは御自分で良いアプリを探してみてください。

 

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