今月号のデンタルダイヤモンドをパラパラ読んでいたら、九州歯科大学、口腔保健・健康長寿推進センターの大渡凡人先生が「高齢者のリスクをマネジメントするリカレント講座」として様々な有病者の歯科治療について寄稿されていました。
ざっくりとした内容はデンタルダイヤモンド社のwebから引っ張ってきた下記です。
重篤な疾患をもつ高齢者は多く、歯科治療では全身的偶発症のリスクが高まる。通常の歯科処置でも、治療の難易度は高まり、医学的知識に基づいた対処が求められる。本特集では、高齢患者の医学的情報を正しく理解し、適切な全身状態の評価・対応するための「リカレント講座」を誌上にて開講いただく。
「世界(ザ・ワールド)」ッ!
読んでいて、なんか…知識が数十年前から止まってるんじゃ…と思った部分が端々に見受けられました。
一番酷くて天を仰いだのがこれ。
えっ、何がダメかわからない?重症です!
「腎機能が低下している患者だから肝排泄の抗菌薬を使おう!」てのは、各地の口腔外科若手から「うちにもこんなアホ指導医がいて困っています」というネタの一つでチラホラ聞きますから大渡先生に限った話ではないのですが、他所様からはこんな事を言われちゃうんですよ。
これはひどいですね…感染症治療を語ってはいけないレベル。 https://t.co/kgtkL5ScNR
— Save ABx Japan (@AAD_Japan) 2017年5月1日
大渡先生がどれくらい業務に携わっているのかわかりませんが、今現在も学生・研修医教育、臨床をしているのなら、一刻も早く諸々を勉強し直すことを勧めます。九州歯科大学も学内でこんな教育や処方方針ならば、大学としての資質を疑われますので早目に手を打ったほうがいいですよ。
このように、有病者歯科の専門家(かどうかはよく知りませんが)です!という教授でさえこの有様なのですが、これが歯科の実態で、大抵の歯科医師の抗菌薬知識は卒業以来ほぼアップデートされません。ですから各地で間違った知識のまま大学で偉くなってヘンテコ理論・ヘンテコ処方を学生・研修医に教え続ける負の連鎖。
学生・研修医は自衛のために自分で勉強しましょう。
よい指導医を見分ける簡単なコツは?
難しいのですが、ざっくりした判断ならば
・アモキシシリン(サワシリンとか)がメイン。
・フロモックスやメイアクトといった経口第三世代セフェムを処方しない。
です。
逆に、経口第三世代セフェムを処方している先生から聞く抗菌薬の知識は全て眉唾としてスルーしたほうが良いです。これは間違いありません。
大渡先生の普段の処方はどんなもんなんでしょうかね。
「経口第三世代セフェムを使わない」は専門的な知識なのか
先日NHKで経口第三世代セフェムは使うなという話が出ていました。
あの自称松元先生ですら処方をフロモックスからアモキシシリンに変えたそうです。
ということは、今現在フロモックスなんかを処方している先生の知識はテレビ以下、自称松元先生以下なのです。
卒業以来、時の止まっている皆さん、時計の針を動かしましょう!
つう訳で、そろそろ若手にオススメ本の抗菌薬シリーズを…。
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