やさぐれ歯科医院

白い天使クリスチャン・ゼル博士を目指す歯科医の戯言

若手にオススメの書籍 外科基本手技

平成最後の正月が明けまして、平成最後の国家試験が到来です。

皆さん、勉強は順調でしょうか。

 

えっ、早々に留年が決まった?

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過ぎたことは仕方ない…前だけを見るんだ!

 

今回のおすすめ本

先日書店で専門書を色々と見繕っていたら、ふと目についた本がありました。

「なぜなんだろう?」を考える外科基本手技

「なぜなんだろう?」を考える外科基本手技

 

パラパラと流し読みしたら、著者の先生とバシッと波長が合い即買いです。 

 

「下部消化管穿孔の手術では。執刀前の手洗いなんてほとんど単なる儀式だ。腹の中が大腸菌まみれなんだから。」

下部消化管穿孔とは、何らかの理由で小腸や大腸に孔(あな)が開き、腸管の内容物(ウンコ)が腹腔内に漏れ出し腹膜炎を起こします。なかなか死亡率の高い怖い疾患です。

それは置いといて、口の中でも滅菌ガウンや清潔操作が大事とか、戯言ばかり言っている口腔外科やインプラントの先生達に是非読んでもらいたい。

 

中身は・・・ 

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どうですかこの目次。僕はもうこれだけで御飯が食べられそうです!

手術中の立ち方から縫合・運針など基本的な事項ですが、大抵の場合「こういう理由でこうするんです」は成書に書かれていないんですよね。

上手い術者の見分け方の一つに「縫合が上手い」があります(自分的に結構これは感度高いと思っているのですが)。大体ねえ、頭頸部で目立つ部位なのにボンレスハム縫合の口腔外科医とか本当に(以下自主規制)。

 

手技手法には理(ことわり)がある

すべての手技手法にはそれを行う「理」があるのです。

残念ながら口腔外科では消毒だったりフロモックスだったり、古老の言い伝え的な誤解や都市伝説が代々教え継がれている場合もあります。

そりゃあ適当に教わって適当にやっている術者がまた下に教えるんだからそうなりますわな。しかもそんな奴は「考える」ということをしないため、無駄な「こだわり」で嘘八百を信じ続け教え続けるという・・・こんな負の連鎖はどこかで断ち切らないといけません。

 

Don't feel, THINK.

前書きに書いている内容ですが

「考えさせる指導が足りない」

 

自分で考えることは、指導医の指導スタイルとは関係なく、誰でも自分でできることだ。ただ、この

「ちょっと立ち止まって、『なぜなんだろう?』を考える」

というのは、習慣ができていないと結構難しいというのも確かだ。

 

考えることすらしないような基本手技を理論的に考えて理解していくことこそが、

「なぜなんだろう?」を考えられる臨床医になる

ためのヒントになるはずだ。

 

いやもう仰る通りだと思います。考え方も含め色々とためになりますから、口腔外科に入局した人は買ったほうがいいと思います。

 

僕自身も後進への指導を色々と考えさせられる本でした。

つうか、歯科業界も誰かこういう実践的なの書けばいいのにね。

 

 

ちなみに昔書いた 「こだわり」を捨てましょう、という話。

 

 

こだわりバカ (角川新書)

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