やさぐれ歯科医院

白い天使クリスチャン・ゼル博士を目指す歯科医の戯言

行ってはいけない口腔外科 入局編 4

もう平成も最後、この御時世に独自色の強い卒試を作り続ける教官はそろそろ多留生に刺されてニュースになっても良い頃合いですが…そういえば医科歯科で色恋沙汰から刺された先生はどうされているんでしょうか。

 

入局する口腔外科を選ぶポイント

今まで何度も挙げていた「避けたほうがよいポイント」の逆張りをすればよいのです。

・主任教授が口腔外科専門(ではないほうが激レアですが・・・)

・「上手い」かつ「やらせてくれる」指導医がいる

・多彩な症例

・医局員の人数に比して症例数が多い

・大学院でも臨床をやらせてくれる

・全身麻酔の抜歯が少ない(抜歯以外の全身麻酔症例が多い)

・顎変形症が多い(多いから良いとは限らないが、少ないところはヤバい事が多い)

・認定医、専門医、指導医試験を早い段階で受けられる

 

とまあこんなもんでしょうか。

全てを満たすような奇跡の職場は存在しないと思いますが、あとは自分のニーズとマッチ数が多いとこを選ぶしかありません。

 別に「駅近だから」「都会にある」でもよいのです。


さて本題

 

日本口腔外科学会の資格

日本口腔外科学会の資格は認定医・専門医・指導医の3段階あります。

昔は「認定医」なんてありませんでした。(恐らく)専門医までのハードルが高く学会を離脱する者が多かったので「専修医」というプチ専門医みたいな資格を作ったのですが、(恐らく)名称が格好悪くHPに書いてもパッとしない!と批判されたのか、名前を変え「認定医」となりました。

認定医までは書類と筆記で特に問題ないかと思います。

 

問題は専門医・指導医の受験に必要な「全身管理研修」と「実地試験」。

 

全身管理研修

専門医制度施行細則の第19条に

全身管理研修:本学会が認定する施設内の手術部あるいは麻酔・救急・集中治療等に関わる施設において一定期間、全身管理、特に呼吸管理を研修しなければならない。

 とあります。

前にも書きましたが、厳しい施設では数ヶ月間、麻酔や救急など他部署に出向となり、その間は口腔外科の臨床はほとんどせずに研修を積みます。出向期間は3ヶ月~半年~1年など様々ですが、何人も中堅を同時期に他部署へ派遣すると、普通の口腔外科なら人手不足に陥りますから大抵は順番待ちです。

論文も症例もクリアしたのに全身管理研修のために専門医試験受験が年単位での「待ち」という悲劇。

しかし、歯学部口腔外科では歯科麻酔科とズブズブユルユルで、全身管理研修を「やったことにして」すっ飛ばせるとこもあります。これは超楽チンで超オススメ。

専門医になったばかりの医局員に、それとなく卒年と全身管理研修について聞いてみましょう。

専門医申請が「あとは全身管理研修だけなんだけどねえ・・・」という人が何人もいるとこは、専門医まで遠い道のりかもしれません。

 

実地審査

専門医・指導医の試験には実地審査といって、実際に手術の様子を見に他施設から試験官が来ます。これも施設間で差がつくのは2点。

 

・試験官と口腔外科部長がズブズブ

試験官が全く手術を見ないで部長と談笑して終わり。こうなると単なる儀式ですが、チラ見しただけとかはちょいちょい聞く話でもあります。

これは完全に「運」です。入局前から誰が試験官で来るかなんかわかりません。

 

次が問題。

 

・神の見えざる手

某関西歯学部での実地試験で、試験官は手術に対し「修行が足りんわ!」と✕をつけましたが、なんと落とされた先生は懲りずに翌年再度受験申請をしました。去年と同じ試験官が「HAHAHA!たった1年で上手くなるのかい?」と再訪しましたが、やはり1年でそんな簡単に上達するはずもなく・・・しかしなんと結果は驚きの合格に!

 

 

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詳細は差し障りがありすぎますので省略。

後日、試験官がその歯学部のもう一つの口腔外科の偉い先生から

 

「ダメですよ先生、あんなヤツ受からせちゃw」

「えっ」

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という会話があったとかなかったとか・・・。

 

 

結論

寄らば大樹の陰

 

 

心の大樹(instrumental)

心の大樹(instrumental)